HAPPY STATIONERY WEEKENDS

週末は文具を愛でて…

日本と台湾の架け橋となる文具が登場(HAPPYMT)

 

HAPPYMTとは

「HAPPYMT」とは1980年に台湾にてペンの製造業を始めたMikeとTerriが立ち上げた新ブランドです。二人はもともと、「ARTEX」という多面的で華やかなデザインを重視する別ブランドを持っていたのですが、もっとシンプルなデザインを重視したブランドを立ち上げたいという想いから「HAPPYMT」が生まれました。

日本でのクラウドファンディング

そんな「HAPPYMT」の日本上陸に際し、この度、クラウドファンディングが行われています。「日本と台湾を結ぶ架け橋に」というコンセプトで生まれた今回のシリーズは、台湾人から見た懐かしい日本の原風景をイメージした五色のインクを中心に商品展開がされています。

今回の企画は、「コロナ禍が収束して、また旅に出られる日を楽しみに、「加油(頑張れ)!」と日本を応援する企画から誕生」したとのこと。ぼくも含めて、ぼくの周りでもコロナが収束したら行きたい地域のトップが台湾なので、もう、まさにこの企画はとても嬉しいです。

日本の原風景

そして、そんな日本の原風景をイメージした5色というのがこちら。
涅(ブラック)、薪炭(ブラウン)、竈(グレー)、天鵞絨(ダークグリーン)、蜜柑(オレンジ)の五色です。

涅(ブラック)は、池が多い日本をイメージした色。
薪炭(ブラウン)は、昔の日本の生活に欠かせなかった薪をイメージ。
竈(グレー)は、昔の日本の台所にあったかまどのイメージ。
天鵞絨(ダークグリーン)は、京着物の深い緑のイメージ。
蜜柑(オレンジ)冬の日本の果物の定番でもある蜜柑の色。

全五色のインクは、どの色も落ち着いていてシックな印象です。一番明るい「蜜柑」のオレンジも、パキパキした色ではなく、どこか少しくすんだ印象があり、使い勝手はとても良さそう。

万年筆とのセットも魅力的

さて、今回のこのプロジェクトには万年筆とのセットもあります。
その万年筆も非常に魅力的なんですよ。
万年筆のカラーはブラック、ライトピンク、ブラウン、グレー、ライトグレー、ダークグリーン、ライトグリーン、パープルの8色が用意されており、インクとのセットによって選べる万年筆の色も異なるので、自分の好きな組み合わせを選ぶと良いでしょう。


一応、セット内容をまとめておきますね。

【涅】くろつち(ブラック)& 万年筆セット
・インクカラー:ブラック
・万年筆カラー:ブラック

【竃】かまど(グレー)& 万年筆セット
・インクカラー:グレー
・万年筆カラー:ライトグレー or グレー

【天鵞絨】びろうど(ダークグリーン)& 万年筆セット
・インクカラー:ダークグリーン
・万年筆カラー:ライトグリーン or ダークグリーン

【蜜柑】みかん(オレンジ)& 万年筆セット
・インクカラー:オレンジ
・万年筆カラー:パープル or ブラウン

薪炭】しんたん(ブラウン)& 万年筆セット
・インクカラー:ブラウン
・万年筆カラー:ライトピンク or ブラウン

万年筆はスリムなタイプなのですが、適度な長さがあるので、男性の手でも持ちやすいです。重さも程よい重さで手に負担がかかりません。ペン先はドイツ製のシュミット製なので、書き味も安定しています。字幅はMで一番一般的でどんな用途にも使えるのが嬉しいです。

シンプルなデザインなのですが、軸の色によって、クリップなどの色が異なり、そこがまた魅力的で高級感もあります。しかも、HAPPYMTと刻印の入ったリング部分もスタイリッシュで、こういうところにセンスを感じますね。

クラウドファンディングについて

このクラウドファンディングは現在受付中で、5月19日までサポーターになることができます。コースもいろいろと用意されていて、万年筆とインクのセット、インクだけ、全5色のインクセットというのもあります。クラウドファンディングなので、日本上陸後の一般の小売価格よりもかなり安くなっているので、この時期に購入されることをお勧めします。

今ぼくの手元には3本の万年筆があるのですが、正式に日本に上陸したら、他の色の万年筆も揃えたくなりました。インクももっと増えると嬉しいなぁって思っています。

商品情報

● インクついて
・素 材:染料インク、pH値中性、ガラス瓶
・容 量:18ml
・サイズ:長さ2.8、幅2.8、高さ6.5cm
● 万年筆について
・素 材:真鍮/メッキ加工
・サイズ:長さ14.5、直径1.3cm
・ペン先:ドイツのシュミット社製(太さ:M)

クラウドファンディングの詳細などは以下を参考にしてみてください。

kibidango.com

 

 

 

 

 

氷河の神秘に憧れて( マイスターシュテュック グレイシャー)

 

MONT BLANCの万年筆について

あまり万年筆になじみのない人に自己紹介をする時、ぼくはいつも「文具関係の仕事をしています」と言っているのですが、そこからもう少し深く掘り下げる場合には、「主に万年筆に関する仕事です」と言うようにしています。本来であれば、「万年筆のインク」となるのですが、いきなりその話をすると何も知らない人は「え?万年筆のインクですか?」と戸惑ってしまい、説明するのが面倒なので、まずは外堀から埋めていくように説明していくようにしています。

「万年筆」と聞いて、万年筆のことをあまり知らない人が口にするブランドはだいたい「ペリカン」か「モンブラン」です。つまりこの二つのブランドは万年筆の代名詞と言っても良いかもしれません。

しかし、実はぼくはモンブランにはあまりなじみがないのです。

そもそも、お値段的な問題もあります。

モンブラン=手が出せないくらい高い価格

という印象がものすごく強くて、ずっと手が出せずにいました。

だから、しばらくは父からのお下がりの古いモンブランの万年筆しか持っていませんでした。

しかし、モンブランのもう廃盤になってしまったボエムというシリーズを知ってからモンブランに対する意識はだいぶ変わりました。

それでもまだモンブランは高いという印象ばかりが先行してボエム以外のモンブランは自分で購入することはなかったのです。

モンブランの銀座のブティックに行っても、買うのはもっぱらインクのみで、万年筆には目もくれなかったのですが、だんだんとお店に通ううちに、気になる万年筆も出てきて、いつか購入したいと思えるものもありました。

そして、昨年、ついにエジプトをモチーフにした万年筆が出たので、それをきっかけに何本かのモンブランの万年筆を購入しました。

今までずっと敬遠していたモンブランですが、お値段的には、考えてみたらぼくの大好きなアウロラとそれほど変わらないし、そう思うとそんなにべらぼうに高いわけではない(いや、もちろん高いことは高いんですけどね、感覚的な問題として…汗)なと…。

氷河をイメージしたシリーズ

さて、そんなモンブランから新しいシリーズが発売されました。それが「Glacier(グレイシャー)」というシリーズです。「Glacier」とは氷河のことで、モンブランの山の氷河をイメージしてデザインがされており、筆記具の他に時計や革製品など幅広く展開しています。

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氷河をイメージしたパッケージもスタイリッシュでかっこいいです。どうやらパッケージそのものもデザインを一新したらしいです。

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筆記具には「ソリテール」「ドゥエ」「ルグラン」「クラシック」という4つのラインが用意されています。

どれも非常に魅力的ではあるのですが、ぼくが一番ピンと来たのが「クラシック」というラインです。

マイスターシュテュック グレイシャー クラシックの魅力

上記の4つのラインの中でもっともお値段的にもリーズナブルなので、比較的手が出しやすいというのもあるのですが、何よりもシンプルなデザインの中にさりげなく凝った演出がされているところがぼくの気に入りました。

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他のラインに比べると、とにかくシンプルなところが気に入りました。白い軸にブルーのメタリックなアクセントが涼し気で、モダンな印象もあります。

軸の部分はホワイトカラーのプレシャスレジンが使われているのですが、非常に軽いです。さらっと気軽に持つことができるし、色的にも夏にぴったりだと思いませんか?

さらにこのクラシックの魅力はアクセントとなるメタリックブルーの部分。公式サイトによると「ブルーカラーのPVD加工を施したメタルフィッティングが特徴」となっています。

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このブルーの部分が実に微妙で、写真に撮るのが難しい!それくらい微妙なブルーなんです。そのブルーのメタリックというところが、このクラシックのポイントでもあり、ぼくが購入を決意したのも、そんなところにあります。

技術が光るペン先にも注目

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ネットでの説明によると、万年筆のペン先にもこだわりがあるようで

ペン先はロジウム仕上げを施した手作業によるAu585/14 Kソリッドゴールド製、モンブランの山の頂上に横たわる‘ドラゴン’のようなメール・ド・グラスが描かれています。

とのこと。

ペン先というのは、キャップをしている時は隠れているので、わかりにくいのですが、筆記時は常に目に入る部分でもあるので、実は万年筆の魅力のひとつのポイントでもあります。そこにこういうようにテーマに沿った細工がされていると、それだけでテンションが上がると思いませんか?

さらに、ぼくが注目したいのは、ペン先の根本のリング部分。そこがまたテーマに沿ったブルーなんです。こういう細かい部分のデザインも含めて、今回のシリーズは秀逸だなぁって思うのであります。

ボールペンの替芯に驚く

グレイシャーのクラシックを購入することを決意した時、お揃いでボールペンも購入するつもりいました。このデザインだったら万年筆だけではなく、ボールペンも一緒に揃えておきたいと思ったから。

普段の筆記時ぼくはだいたい万年筆なのですが、ボールペンを使う場面というのも少なからずあります。例えば複写式の伝票を書く時はボールペンじゃないと無理です。あとは筆記されるもの(つるつるした表面のもの)によってもボールペンでは書けるけど、万年筆では書けないというものもあります。

ですから、実はボールペンもちゃんとしたものを用意したくなるのであります。

ところが、モンブランでボールペンを買うのは初めてのこと。今までそこまで欲しいボールペンがなかったので、ずっとスルーしてしまっていたのです。

そこで、今回ボールペンを買うことにしたのですが、お店の方とお話をしていたら、なんとボールペンの替芯でターコイズ色があるとのこと。これはもう、本当にびっくりしました。だって、ターコイズ色のボールペンの替芯ってそんなにたくさんないんですよ!

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しかも、これが限定ではなくて定番である上に、2本入りだというではないですか!伊勢丹の1階の売り場で一人で興奮しまくっていました。

なんで教えてくれなかったのよ!と思ってしまうくらい。

どうやらモンブランのボールペンの替芯は他にも魅力的な色があるようなので、ちょっとこれはきちんと注目しておかなくちゃいけないなと思ってしまいました。

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そして、このBARBADOS BLUEの芯と、グレイシャーの相性もばっちりなんですよ!

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パッケージの色よりももっと落ち着いたブルーで、少しくすんだ色なのですが、他のブランドにはないボールペンの色で、こういう色の芯をみつけると、色フェチにはたまらないんですよね。

万年筆には同シリーズの色を入れて…

万年筆の方には同時発売となった同じシリーズのインクを入れることにしました。

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詳しくはHAPPY INK DAYS archives の方で後日ご紹介しますが、氷河のイメージにぴったりの紺色よりのブルーグレーで、普段使いもできそうな色です。

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パッケージもおしゃれなのであります。

というわけで、一足先に夏を感じさせるシリーズ。夏本番までもう少し時間があるので、このボールペンと万年筆をおしゃれにスタイリッシュに持ち歩けるペンケースを探したいなと思っています。

こうして沼は広がっていくのであります。

商品情報

・マイスターシュテュック グレイシャー クラシック 万年筆 ホワイト

価格: 86,900円
字幅:F、M
サイズ: 140×13.7 mm 
重量:23.21 g
クリップ:ブルーのPVD加工が施されたクリップ 
ボディ:ホワイトカラーのプレシャスレジン製ボディ
キャップ:ホワイトカラーのプレシャスレジン製キャップ 
カラー:ホワイト 
ペン先:手作業によるロジウム仕上げのAu585/14Kソリッドゴールド製ペン先
Ident No. MB129398 

・マイスターシュテュック グレイシャー クラシック ボールペン ホワイト

価格:59,400円
サイズ:137.8×12.5 mm 
重量:22.86 g
クリップ:ブルーのPVD加工が施されたクリップ 
ボディ:ホワイトカラーのプレシャスレジン製ボディ
キャップ:ホワイトカラーのプレシャスレジン製キャップ 
カラー:ホワイト 
Ident No. MB129401 

 

 

 

プラチナ万年筆ミクサブルインクの魅力

 

ユミクサブルとは?

ユーミンこと松任谷由実を聞くようになったのは、中学一年生の頃。

その頃から、今日の今日まで、ユーミンを一回も聞かない日はないんじゃないかというくらい毎日のようにユーミンの楽曲を聞いています。

ユーミンが他の人に提供した曲も古レコード屋などで買い集めるほどのユーミンフリークでもあるのです。

そんなユーミンは今年の7月5日にデビュー50周年を迎えます。恐らく、きっとその記念すべき周年に向けて、様々な企画が待っているとは思うのですが、ぼくも何か勝手にユーミンをお祝いしたい気持ちになり、だったら、数年前から始めたユミクサブルを再始動させてはどうか?と思い立ち、先週から動き始めました。

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万年筆のインクというのは、同じブランドであったとしても、それぞれ濃度が違うために、基本的に混色することは推奨されていません。なんらかの化学反応を起こして、万年筆の内部に悪影響を及ぼす可能性があるから。

しかし、このプラチナ万年筆のミクサブルインクは濃度が統一されているために、混色が可能となるのです。

ユーミンの楽曲のインクを作るようになったきっかけ

ぼくがこのミクサブルインクを使ってユーミンの楽曲を基にしたインクを作り始めたのが、2016年のことなので、もう今から6年も前のこと。

ユーミンの曲というのは、どれも色彩豊かです。さらに登場人物の心象風景が歌詞に織り込まれているので、聞いているぼくたちは、そんな経験したことがないのに、あたかもそういう経験をしたかのような気持ちになります。

だから、その曲ごとの色を作りやすいと思ったのが、ユミクサブルを始めたきっかけです。ちなみに、「ユミクサブル」とは「Yuming」と「MixableInk」を掛け合わせた造語で、Twitterで「#ユミクサブル」と検索すると、ぼくの作った今までのユミクサブルが時系列で表示されるので、興味のある方はぜひ検索してみてください。

ミクサブルの過程

ミクサブルインクを始める時にインク以外で必要なものは、混色をするためのパレット、試筆のためのガラスペンと紙。

さらにぼくはそこにデジタル計量器を用意します。インクの分量を量りで計測し、配合を確定することによって、再現性が生まれるからです。

ぼくはユミクサブルインクを作る際は、必ず該当曲を一曲リピートでかけながら、歌詞をじっくり読み、色を決めていくことにしています。

歌詞の中に具体的な色に繋がるものが織り込まれていれば、そこから色を作り出すことができるのですが、歌詞の中にそういうヒントがない場合には、その曲のイメージで作っていくしかありません。しかし、それが実に楽しい作業なのです。

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連想ゲームの面白さ

ユーミンの2枚目のアルバム「MISSLIM」の中のオープニングナンバーは「生まれた街で」という曲。

この曲の歌詞の中には具体的な色が出てきません。

じゃあ、そこからどうやって色を考えるのか。

ユーミンが生まれたのは八王子市です。ぼくは八王子市にはそれほど詳しくはないのですが、何度かコンサートで行ったことがあるし、東京の人間なので、何となく八王子はこういう街かな、というイメージがあります。そこから生まれたのがこういう色です。

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緑の豊かな街というイメージでもあるし、どこか爽やかな風も吹いているのではないかということから、少し青みがかった緑色のインクに仕上げました。

こうやって、歌詞を読みこみ、連想ゲームのようにして色を確定していく作業は、面倒ではあるものの、楽しいし、自分の中で(これは完全なる自己満足ではあるのですが)この曲にはまさにこの色!というマッチングが起きると、達成感も生まれます。

自分で作って集めることの楽しさ

ミクサブルインクの楽しさというのは、自分で好きな色を作ることというのが第一なのですが、その自分の好きな色を集める楽しさというのも味わえます。ぼくの場合は大好きなユーミンの楽曲(オリジナルだけでも400曲以上あるんですよ!)を基に色を作っていくので、やりがいもあります。

また、例えば、緑が好きな人だったら、自分の好きな緑をとことん追求して作っていくというのもどうでしょうか。緑と一言で言っても、いろんな種類の緑があるので、それらをこのプラチナ万年筆のミクサブルインクで作っていくというのも良いでしょう。

おうち時間をより充実させるために、このプラチナ万年筆のミクサブルインクというのはもってこいのアイテムだとぼくは思っています。

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7月5日までに全400色以上のインクを作ることができるかどうかわからないのですが、これはぼくにとってはライフワークになりつつあるので、できるだけたくさんの色を作って、それを色々な場所で使っていけたらなと思っています。

商品情報

・MIXABLE INK
万年筆用 水性染料インク

価格:¥1,320(税込)
タイプ:万年筆用瓶インク
容 量:60ml
摘 要:水性染料インク(アルカリ性)
サイズ:W56×D56×H63mm 標準重量171g
#1 スモークブラック 4550010
#11 フレイムレッド 4550110
#21 シクラメンピンク 4550210
#28 シルキーパープル 4550280
#30 サニーイエロー 4550300
#41 リーフグリーン 4550410
#55 オーロラブルー 4550550
#57 アクアブルー 4550570

 

ミクサブルインクに興味のある方は、ぼくが作っているブログ「HAPPY INK LIBRARY」もご参照ください。

happyinklibrary.hatenablog.com

 

 

虹色万年筆の魅力(カヴェコ イリディセント パール)

カヴェコ(KAWECO)について

ハインリッヒ・コッホ(Koch)と、ルドルフ・ウェーバー(Weber)によって1883年にドイツで創業されたKaweco(このブランド名はこのふたりの名前からつけられたもの)の、1930年に発売された「Kaweco Sport」は1972年に開催されたミュンヘンオリンピックの公式ペンとして認定されました。
1976年に一度廃業しましたが、1995年にドイツのグットパレット社によって復刻され、今や日本でも大人気のブランドです。

スポーツシリーズの魅力

カヴェコは色々なモデルの万年筆を出してますが、特に好きなのは、スポーツシリーズと呼ばれるミニタイプの万年筆です。
本体はすっぽりと手に収まるサイズで、筆記時にはキャップの部分をお尻にさすことで長さが生まれ、男性の手でも書きやすくなるのです。
また、八角形のキャップの部分がちょっとモダンな雰囲気で、しかもカラーバリエーションも豊富で集める喜びも得られるという、実にコレクター魂をくすぐる万年筆なのであります。

Kaweco Collection 万年筆 Iridescent Pearl(イリディセント パール)

そんなカヴェコから発売され、今、一部の文具マニアの間で話題になっているのが「Kaweco Collection 万年筆 Iridescent Pearl(イリディセント パール)」です。
Iridescentとは、虹色という意味で、まさにそんな虹色に見える白いボディが美しい万年筆なのです。

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海外のサイトでこの万年筆の画像を見て、これはきっと日本に入ってきたら大人気になるだろうなと思ったら、予想通り、SNSを見ると様々な人たちのお迎え投稿やお店による紹介投稿を見ることができます。

発売後、ぼくはすっかり出遅れていたのですが、そのことをSNSで呟いたら、親切なフォロワーさんが教えてくれて、早速銀座伊東屋さんに行って無事にお迎えすることができました。
お店の方によると、その日に発売されたばかりでSNSに投稿したところ、問い合わせが多くてびっくりしているとのことでした。
BとBBに関しては予約のみで販売完了したとのことで、Mを購入したのですが、カヴェコのBBは持っていなかったので、せっかくだから予約だけしました。
嬉しいのはそのお値段!なんと3000円(税別)なんですよ!

玉虫色の輝き

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では、じっくりとこのイリディセント パールを見ていくことにしましょう。

まず、特筆すべき点は軸の色合いです。

ベースは真珠のような白なのですが、光があたることによって、色々な色に変化する、まさに虹色な軸なのです。

これ、どういう造りになっているんだろう?って思うのですが、素材そのものがそういう素材なのではないかと思います。

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光の角度によって、薄いブルーのように見えたり、ところどころ淡いピンクだったり。とても神秘的で、文字を書いている時にも手の中で七変化するところがまた面白いのではないかと思います。

そして、黒の背景にも映えます。

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書き味の良いスチールペン先

カヴェコが手にしやすいのはその価格もあると思うのですが、その価格帯だと集めやすいからファンにとってはこれもまた嬉しいところ。
スチールペン先ですが、最近のスチールペン先は非常に書き味が良くて、カヴェコも例外ではありません。滑らかに書けます。

字幅に関しては、ドイツ製ということもあり、じゃっかん太めで、個体差もあるのですが、おおむね書きやすいという印象。

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インクは、カヴェコの純正ターコイズのカートリッジにしました。

Kaweco Collection 万年筆 Cyan(シアン)

実は、この「イリディセントパール」が出る前に青緑色のシアンも発売されていて、ぼくはそちらももちろん、購入しております。これもまた青緑好きにはたまらない色合い。

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濃いめの落ち着いた色合いで、まさにぼく好みの色。

カヴェコのツルンとした質感が大好きなんですよね。

素材、フォルム、サイズ、それらが絶妙なバランスなのがカヴェコのこのスポーツタイプのシリーズだとぼくは思っています。

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ミニタイプだからこその面白さ

この手のミニタイプの万年筆はカートリッジ式がほとんどですが、カヴェコは専用のコンバーターもあるので、いろんなインクを入れることが可能です。
ただ、それだけ容量が少ないので、空のヨーロッパタイプのカートリッジにインクを入れて使うようにしています。
(この空のカートリッジについてはまた後日ご紹介しますね!)

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カヴェコはその他にもBUNGU BOXさんやPEN HOUSEさんともコラボ商品を出していて、いずれもとても魅力的なものばかりなので、これからもこちらのブログで色々とご紹介していきたいと思います。

商品情報

・Kaweco Collection 万年筆 Iridescent Pearl(イリディセント パール)
・Kaweco Collection 万年筆 Cyan(シアン)

価格:3,000円(税別)
字幅:EF、F、M、B、BB
サイズ:(収納時105mm)(筆記時130mm)×Φ13mm
重 量:11g
原産国:ドイツ
素 材:ABS樹脂、スチール
替 芯:スチールペン先
    両用式