hocoroで楽しむインクの世界
インク沼の救世主
インク見本帳を作る時、どんな筆記具を使うか。
これは、インク沼の住民であれば誰しもが悩むポイントのひとつです。
ガラスペンはすぐに洗えるので、たくさんのインク見本帳を作る時には便利なのですが、字幅が一定しなかったり、時々ボタッとインクが垂れたり、急いで作業をしている時にうっかりペン先を割ってしまったりというトラブルが生じる場合があります。実際にぼくも作業中にペン先を割ってしまい、作業が中断してしまったという経験をしています。
でも、そんな悩めるインク沼住民たちに救世主が現れました。
それがセーラー万年筆から発売されたhocoroというシリーズです。
今回はそんなhocoroについてご紹介したいと思います。
hocoroとは
hocoroとは、「万年筆用ボトルインクを、より簡単手軽に利用できる万年筆ペン先のつけペン」として2021年の12月に誕生した画期的な筆記具です。
万年筆だといちいちインクを入れなければ文字が書けないし、かといってつけペンのようにして使っても洗浄が面倒くさいです。
しかし、このhocoroだったら手軽にインクを楽しむことができます。
2021年の12月に発売されたのは、写真の左2本です。
ペン先が細字と1.0mmのカリグラフィー用が用意されており、軸もシロとグレーを選べるようになっていました。
ぼくも、早速購入して使ってみたのですが、この商品、大きな欠点がありました。ペン先のみで、インクを保持するためのペン芯が付いていないのです。そのために文字を書くとすぐに書けなくなってしまいました。
上記の写真はそのペン芯のない状態で書いたものなのですが、16文字目からインクが途切れてしまっているのがわかります。
しかも、インクをできるだけ長持ちさせようと、たっぷりとペン芯に含ませようとすると、一文字目でインクがボタッと垂れて、使い物にならないのです。
これじゃ一体なんのためのつけペンなのかわからない!と思い、それからぼくはまったく使わなくなってしまったのです。(インク見本帳を作る時はもっぱらガラスペンを使うようにしていました)
インクリザーバーパーツの登場
そんなぼくの不満がセーラー万年筆の中の人に届いたのか、それともせっかく作ったものの、その欠点に気づいたのかは不明ですが、インクを保持するためのリザーバーパーツがこの度発売になると聞き、ぼくはすごく嬉しかった。
これでやっと購入したペン先を使えるではないですか!
そのパーツがこちら!
この右側にあるのがリザーバーパーツです。
(比較のためにペン先だけの軸と一緒に撮影しています)
これを説明書の通りにはめ込むと
こんな感じになります。
最初はちょっと細かいのでやりにくいのですが、裏表を間違えないように気を付けながら説明書の通りにはめ込むとすんなりとはまります。
その時にポイントとなるのが、表側のハート穴の部分に突起部分をはめ込むこと。カチッとハマると完成となります。
これによって、書ける文字の量がぐんと増えるのです。
なんと全ひらがなだけでなく、アルファベットも途中まで書くことができました。なんで最初からこうしなかったのよ!セーラーさん!とも思いますが、でも、ちゃんとぼくの希望通りにリザーバーパーツをつけてくれたので、良しとしましょう。
全4種類となったhocoro
さて、このリザーバーパーツは2022年8月1日から全国発売となるのですが、それに合わせて、さらに2種類の違うタイプのペン先のhocoroが発売されます。
それが上の写真の右2本です。
ペン先を見ると、あきらかに4本とも異なっていることがわかります。
4つのペン先の違いを調べてみるとこんな感じです。
参考までにハイエースネオで書いた線も載せておきます。
2.0mmはかなり太目で、実用的ではなく、カリグラフィー専門と考えた方が良いかもしれません。これを上手に使いこなすのはかなり熟練しなければいけない気がします。特に細かい漢字を書く時はストレスになるでしょう。漢字をデザインとして考えて一部でこのペンを使うというやり方だったら面白いものができるかもしれません。
そして筆ペンはセーラー万年筆で有名なふでdeまんねん的なペン先で、先っぽが筆のように曲がっているのです。40度曲がっていて、立てて書くと細字、寝かせて書くと太字になるという仕様で、文字に独特のニュアンスをつけることができる画期的なペン先なのです。
ちなみに、この2本に関しては最初からリザーバーパーツが装着されているのでご安心ください!
インク旅行のお供に最適
このhocoroには他にももう一つ大きな特徴があります。
それは、ペン先を収納できるということ。
ペン先パーツが外れるようになっており、それをくるりとひっくり返せば、芯にペン先を収納できるのです!これってものすごく画期的だと思いませんか?
例えば、旅先などでインクをたくさん買うということもあると思います(あ、これはあくまでもインク沼の住民のあるあるなんですけどね…笑)が、そんな時、すぐに洗って使えるガラスペンは便利ですが、やはり持ち運びに気を遣うことになります。
かといって、万年筆をつけペン代わりに使うのも面倒だし。
でも、このhocoroがあれば無問題なのです。
こうしてペン芯を軸の中に入れれば、そのままペンケースに入れて持ち歩けます。そして、出先で購入したご当地インクをすぐに使うことができるのです!
インクをつけて、文字を書いた後は、さっと洗って拭けば、すぐに次のインクが使えます。ガラスペン感覚で使えるのです。
これからきっとインク見本を作ったり、手書きツイートの素材を作ったりする時に大活躍してくれそう!
商品情報
hocoroの詳しい情報については、セーラー万年筆の公式サイトにてご確認ください。
リザーバーの取り付け方の動画なども載っています。